中小工務店の皆様へ!リフォーム事業への転換で未来を拓く!

行政書士として、日々多くの事業者様とお話しさせていただく中で、建設業界、特に中小工務店の皆様が直面されている課題を肌で感じています。資材価格の高騰、慢性的な人手不足、そして激化する価格競争など、厳しい経営環境が続いていることと存じます。しかし、このような状況下でも活路を見出し、収益を増加させている工務店があるのも事実です。今回は、その鍵となる「リフォーム事業への転換」について、深掘りしてお伝えしたいと思います。

建設業界の現状とリフォーム市場の可能性

建設業界は、多層構造の受注生産産業であり、個別の注文を受けてから生産を始めるという特性があります。国土交通省のデータを見ると、建設投資額は2010年度には1992年度の半分程度にまで減少しましたが、その後は東日本大震災からの復興や東京オリンピック・パラリンピック関連の需要などにより、回復傾向にあります 。2023年度には70兆円を超え、2024年度は73兆円で着地予定とされています

一方で、新設住宅着工戸数は減少傾向にあり、2019年には80万戸台に落ち込みました 。特に、物価高騰による住宅価格の上昇が要因となり、持ち家と分譲戸建ての減少が続いています4

しかし、このような状況下で注目すべきは、「リフォーム・リニューアル需要」の高まりです 。バリアフリー、省エネ、耐震設計・構造、環境配慮型住宅など、住宅の質を重視する傾向が強まっており、増改築を含めた高付加価値サービスの需要が増加しています 。介護保険による住宅改修や耐震改修など、法改正に伴う需要も今後増えると見込まれています

リフォーム事業の魅力と高まる収益性

なぜ今、リフォーム事業が中小工務店にとって魅力的なのでしょうか。その理由は、統計データにも明確に表れています。

日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査(2022年8月)によると、

木造建築工事業の完成工事高総利益率(粗利)が24.7%であるのに対し、建築リフォーム工事業は33.8%と、約9%も高いことがわかります 。これは、リフォーム工事では材料費があまりかからないことが大きな要因とされています

つまり、リフォーム事業は、新築住宅の着工件数が減る中で、社会的な需要が増加しているだけでなく、高い利益率を見込めるという経営上の大きなメリットがあるのです。

リノベーション事業という新たな視点

さらに、近年は「リノベーション事業」も消費者の支持を得ています 。中小工務店が築年数の古い中古住宅やマンションを安価で取得し、現代のライフスタイルに合わせてリフォームして再分譲するこの事業は、少子化による人口減少で空き家が増えていることや、消費者の中古住宅への抵抗感が薄れてきていることを背景に、市場が拡大しています 。他業種からの参入も多く見られ、新たなビジネスチャンスとなっています。

厳しい市場を乗り越えるために

もちろん、リフォーム事業への転換も容易ではありません。インターネットを活用した営業能力の向上や、瑕疵保証制度に取り組むことを通じた顧客の信頼確保など、企業努力が不可欠です 12。また、「長期優良住宅」「太陽光発電」「エコ住宅」といった特定の分野に特化して成功している中小工務店も存在します

建設業界は工期が長期にわたる場合が多く、資材費や人件費、外注費などの費用が先行するため、キャッシュフローの管理が非常に重要です 。売掛金の回収サイクルに注意を払い、自己資本の増強(特に現金の保有)が、黒字倒産のリスクを回避する有効な手段となります

行政書士として皆様をサポートします

私ども行政書士にとって、許認可業務は重要な業務の一つです。しかし、それ以上に、皆様の経営に関するお悩みは、許認可と同様に重要な関心事であると認識しております。

リフォーム事業への転換、そしてそれに伴う経営戦略の策定、さらには資金調達や事業承継など、中小工務店の皆様が直面する様々な課題に対し、行政書士として多角的な視点からサポートさせていただきます。本稿の内容が、皆様の今後の事業展開の一助となれば幸いです。いつでもお気軽にご相談ください。