おはようございます。行政書士の城野です。
今日は建設業許可取得の要件の一つであります、専任技術者について書きたいと思います。
そもそも専任技術者とは「専任している」「技術者」です。「専任している」というのは「営業所に常駐している」と解されます。「技術者」とは「許可を受けようとする建設業に関して、一定の資格または経験を有した者」と解されます。
そこでこの「技術者」について具体的にどのような人物かというと以下のような人物です。(国交省HP)
[1]-1指定学科修了者で高卒後5年以上若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する者
[1]-2指定学科修了者で専門学校卒業後5年以上実務の経験を有する者又は専門学校卒業後3年以上実務の経験を有する者で専門士若しくは高度専門士を称する者
[2]許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、10年以上実務の経験を有する者
[3]-1国家資格者
[3]-2複数業種に係る実務経験を有する者
経験の証明の難しさ
この中で「経験を有する者」とたくさん出てきます。許可を取る際には専任技術者の設置が必要なのですが、この専任技術者になる資格として「経験を有すること」を証明する場合はケースによって少し大変になります。
- 経験の証明のためには証明すべき期間が長ければ長いほど過去にさかのぼらなければなりませんので、書類が見つからない可能性が高まります。
- 書類があったとしても当時から許可取得を考えていなければ許可のための書類としては不備がある可能性もあります。
- 原則的にそれぞれの職場へ実務経験の証明を依頼しなければなりません。過去の職場を数回変わっているのであれば、過去のそれぞれの職場から証明してもらう必要があります。退職した時期が古ければ古いほど現在における関係が希薄している可能性も高く、ハードルが高くなりがちです。
以上の事から経験の証明をする場合でもできれば年数を短くしたいものです。当然上記実務経験10年以上というとほかの3年や5年に比べると許可取得に対する労力がかかります。
過去の職場から証明してもらう必要があるというところですが、過去の職場に連絡を取れない場合があるなど、必ずしも証明がもらえる場合ばかりでもありませんので、その場合は別途確認する方法が必要です。
例外的に、以前の会社で働いていたことを自らで証明するのですが、例えば前職が、今回自身が取得を希望している種類の許可業者であり、かつ許可希望者が専任技術者であり、かつ社会保険に加入していたことが年金の記録等でわかれば取得の可能性が出てきます。ただしこれに関しては取り扱いが自治体によっても差があるようですので事前に個別で確認が必要です。
いずれにしても経験値の証明がむずかしいことには変わりがありません。経験の証明で許可取得を希望される場合には前もって資料の準備等を進めることが必要です。