公益社団法人、一般社団法人の運営_社員

おはようございます。行政書士開業準備中のJです。

今日は 公益社団法人、一般社団法人 の運営について書きたいと思います。 公益社団法人、一般社団法人 の運営については株式会社とは違う部分がたくさんありますので複数回にわたって書きます。今日は社員についてです。

社員とは

ここでいう社員とは一般的にいう従業員という意味ではありません。社員=法律上の呼び名です。また多くの場合、各法人の定款でこれを会員と呼んでいます。社員は議決権を行使しますので、株式会社でいえば株主に近い存在です。ただし非営利目的の 公益社団法人、一般社団法人 の場合、当該法人から配当のような形で利益を受けません。そのため社員となる者の関心は自身の利益よりも運営にあると言えます。

会員とは

前段にも記載しましたが、会員とは多くの 公益社団法人、一般社団法人 が社員を定款で称する構成員の呼び名です。

多くの場合法人独自で会員に種類を設けることが多く、正会員、賛助会員などが例としてあります。多くの場合、正会員=社員となり、正会員は運営にかかわり(議決権をもつ)ます。また賛助会員≠社員となりは賛助会員は会費は拠出しますが、運営にはかかわらないことが多いです。その意味賛助会員を集めたいと思っても、事業に賛同していただけないと集めることが難しいと言えます。

社員となるには

社員(会員)となりうる資格そのものについては特に法律で制限はありません。なので法人が定款で定めない限り制限はありません。しかしトラブルが起こらないように規定を設けておくことが必要です。制限については不当なものでなければOKです。

この場合不当なものかどうかは社会通念に従い判断されます。当該法人の目的、事業内容に照らして当該条件に合理的な関連性及び必要性があれば不当な条件には該当しません。(公益認定等ガイドラインⅠ-13 公益法人認定法第5条第 14 号イ関係<社員の資格得喪に関する条件>)

社員の資格の得喪と定款の定め

社員の資格の得喪に関する規定は定款に必ず書いておく必要があります。定款への記載例を記しておきます。

一般社団法人法定款例(日本公証人連合会HPより

(入社)
第○条 当法人の目的に賛同し、入社した者を社員とする。
2 社員となるには、当法人所定の様式による申込みをし、代表理事の承認
を得るものとする。

(経費等の負担)
第○条 社員は、当法人の目的を達成するため、それに必要な経費を支払う義
務を負う。
2 社員は、社員総会において別に定める入会金及び会費を納入しなければ
ならない。

(退社)
第○条 社員は、いつでも退社することができる。ただし、1か月以上前に当
法人に対して予告をするものとする。

(除名)
第○条 当法人の社員が、当法人の名誉を毀損し、若しくは当法人の目的に反
する行為をし、又は社員としての義務に違反するなど除名すべき正当な事
由があるときは、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一
般法人法」という。)第49条第2項に定める社員総会の決議によりその
社員を除名することができる。

(社員の資格喪失)
第○条 社員が次の各号のいずれかに該当する場合には、その資格を喪失する。
⑴ 退社したとき。
⑵ 成年被後見人又は被保佐人になったとき。
⑶ 死亡し、若しくは失踪宣告を受け、又は解散したとき。
⑷ ○年以上会費を滞納したとき。
⑸ 除名されたとき。
⑹ 総社員の同意があったとき。

以上です。

公益社団法人、一般社団法人 は社員をもって構成される団体であることから社員、会員に関する理解を深めておくことが必要です。また運営の多くが法人に任せられていることもあり社員、会員とのトラブルを避けるためにきちんと定款や規定を整えておくことが必要です。