農地転用申請前のチェックポイント

おはようございます。行政書士の城野です。

今日は農地転用について書きたいと思います。

農地の所有権を移転する場合や、農地を農地以外に利用したい場合には許可/届出が必要です。

その許可/届出の際に事前に確認すべきチェックポイントを書きたいと思います。

農地の移転タイプ

□農地を農地のまま移転   3条許可⇒農業委員会

□農地を農地以外に利用   4条許可⇒都道府県または政令市長村長

              4条届出⇒農業委員会

□農地を転用し、所有権移転 5条許可⇒都道府県または政令市長村長

              5条届出⇒農業委員会

対象地の現況の確認

(確認用必要書類)

  • 課税証明書/名寄帳
  • 対象地の謄本
  • 対象地の公図
  • 周辺の建物の状況がわかる住宅地図(市町村で取得できる1/2500程度の都市計画図)

⇒上記書類より住所を地番までを正確に確認                   

(農地かどうか)

  • 農地 
  • 登記上農地
  • 課税上農地

(権利関係確認)

  • 所有権(相続登記や測量が済んでいるか)
  • 抵当権⇒ついていれば農転について担保権者へ連絡
  • その他利用権など⇒貸し借りの利用権は3条許可がでているはず。農業委員会等に確認

農地がどういう場所にあるか

(農地の都市計画区域確認)

各市町村で確認

  • 市街化区域内⇒転用の届出でOK
  • 市街化調整区域・非線引き区域⇒農地転用許可に加えて都市計画法の許可申請が必要

※都市計画法の許可申請と農地転用許可は同時進行で進める。

(農地のランク確認)

上から順に農転は困難(ランクは農業委員会にて確認)

  • 農業振興地域内農用地区域内農地(通称:青地)
  • 生産緑地(営農が困難な場合に買い取り申し出の手続きを経て農地転用が可能になる)
  • 甲種農地
  • 第1種農地
  • 第2種農地
  • 第3種農地

(土地改良区にあるかどうか)

農業委員会で土地改良区の有無の確認。

※有であれば除外申請が必要。土地改良区の事務局にて書類を聞く必要あり。事務局の場所は農業委員会に尋ねる。

(道路水路に関する工事の承認申請が必要かどうか)

市町村か土地改良区の事務局(=道路水路の管理者)へ確認

(セットバックが必要かどうか)

測量士等に確認

(その他市町村ごとの条例で必要な手続きの確認)

市町村の都市計画課、建築指導課で確認

対象地が1,000㎡以上であると手続きがあることが多い

許可申請から許可までにかかる期間の目安

許可種類地域目安期間備考
農地転用許可市街化調整区域6週間~8週間※農用地区域内農地は6か月~
その他4週間~6週間
農地転用届出(市街化区域)1週間~10日

以上です。

農地の売買等を検討される際には上記ポイントを事前に確認されるとよいと思います。参考になれば幸いです。