建設キャリアアップシステム(CCUS)の展望

おはようございます

行政書士の城野です。

本日は建設キャリアアップシステム(CCUS)の展望について考えたいと思います。

建設キャリアアップシステムとは

建設キャリアアップシステムについてはこちらに記事を書いておりますのでご参照ください。

簡単にいうと

技能者の方の処遇を適切にあげるために、技能レベル、経験の見える化をするための仕組みです。

建設業の人材不足等の課題解決が目的です。

現在の登録状況

一般財団法人建設業振興基金が運営主体となり、2019年4月より本格運用が開始されました。

開始当初は天下り団体だとかいろいろと批判がありました(今もあっているかもしれません)

しかし登録者数は目標値には届いていなかったようですが着実に増えているようです。

建設キャリアアップシステム運営状況についてよりhttps://www.ccus.jp/attachments/show/62cb6e56-7c0c-45f4-9caf-46ccc0a8081b

導入メリットの追加分

経営事項審査の加点としても検討されていて、下記の件が予定されています。

簡単にいうと施工する工事(全元請工事もしくは元請工事のうち全公共工事)においてCCUSの登録や運用措置を講じていれば加点されるということです。

さらに今回の検討会により負担軽減のため軽微な工事等は「全工事」から対象外とされました。

2022年8月公布予定、2023年1月施行予定とのことです。

公布の日以降に開始する事業年度から審査対象期間として運用されるとのことで、加点を考えられる場合は早めの準備が必要です。

国土交通省 前回中央建設業審議会審議事項の
対応状況について【報告】よりhttps://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001487406.pdf

建設キャリアアップの展望

推進の方向で進んでいるのは間違いなく、公共工事だけでなく全工事で進むと考えられます。

ここまで進めて、やっぱりやめたはやっぱりないかと。

なにより職人さんのキャリア証明につながり、処遇の改善につながり、建設業の人手不足を改善すると考えられますし。

以前、私は建設元請け業者にいましたが、その時に感じたのはやはり下請さんたちのレベルというのは正直やってみないとわかりませんでした。

そのため、監理する人が重要になるのですが、なかなか意識を浸透するのも難しく・・・

逆にレベルが低いままだと選ばれにくくなるのでそういう意味では厳しいシステムで、業者の淘汰につながることもあると思います。

(少し懸念するのが、新規参入した場合にどうしても経験の証明がしにくいため、選ばれる機会が減ってしまい、レベルアップの機会がなくなり、レベルの高い業者とそうでない業者の2極化も進んでしまいそうな気もします。)

また現在業務を行っていて思うのが、行政に対して職人さんたちの経験を証明する機会が多くて難儀する事。

資格があることを証明しなさい、○○年の経験があることを証明しなさい・・・

そのために△△の資料を○○年分見せてください・・・

職人さんたちは目の前の仕事をきちんとされているのに、その書類がないために証明できない・・・

建設キャリアアップシステムが普及すればこのような事も簡単に証明できるようになるのではないか(なればいいな)と個人的に思っています。

既に導入も進んできているようなので、今のうちから情報収集をしているとよいかと思います。